斜 視

斜視とは

両眼の視線が正しく見る目標に向かわないものをいいます。 外見上は片方の目が正しい方向を向いているのに、もう一方の目が内側や外側、 あるいは上下に向いている異常です。 目の位置がずれると、両眼で正しくものを見ることができなくなります。 両眼でものを見て立体感をつかむ機能が弱くなったり(両眼視機能異常)、 片側の視力の発達が妨げられたり(斜視弱視)します。

症状は?

斜視は目の位置によって、内斜視、外斜視、上斜視、下斜視にわけられます。

(右目を正常な位置とした斜視の種類)

内斜視 外斜視 上斜視 下斜視

内斜視

左目が内を向いている

外斜視

左目が外を向いている

上斜視

左目が上を向いている

下斜視

左目が下を向いている

検査は?

斜視は両目の向きが異なるため、少し気をつけると、 家族の方が見ても分かります。斜視は早期に治療しないと、 弱視やものが二重に見える複視の原因になりますので、斜視に気がついたら、 はやく眼科を受診しましょう。

★偽斜視★   あかちゃんは、鼻が低くて、その根元が十分に発達していないために、両方の目の間が広くなっており、白目の内側が見えない場合があります。外見上は内斜視のようにみえますが、本当は斜視ではありません。これを偽斜視といいます。偽斜視は鼻の根元が成長するに従って、内斜視のように見えていたものが、正常に見えるようになります。

治療は?

斜視の治療は大きく分けると、「手術による方法」と「手術以外の方法」とがあります。 どの方法が良いかは、斜視のタイプ・性質・年齢・全身状態などにより異なります。 眼位ズレや外眼筋の働き、屈折検査、両眼視機能などを詳しく、 きちんと調べた上でどの方法が適切であるかを判断します。 適切な方法で行わないと、良好な結果が得られません。

手術以外の方法

  1. コンタクトレンズ、メガネを使う方法
    コンタクトレンズやメガネを装用することで斜視の原因となっている遠視を矯正し、 両眼で正常に見えるようにして両眼視をさせます。遠視が原因となる調節性内斜視 のタイプではこの方法が有効です。
  2. プリズム処方
    メガネにプリズムを入れて光を屈折させ、斜視眼を正常眼と同じ視標が見えるようにする方法。斜視自体が治るわけではありませんが、プリズム眼鏡の装用により、両眼視機能を確保しやすい状況を作ります。
  3. 両眼視機能訓練
    斜視のタイプによっては、眼をよせる訓練や、両眼を使ってものを見る訓練が適応となる場合があります

手術による方法

成人の場合、局所麻酔で手術ができます。 乳幼児や学童期以下の場合は、 全身麻酔で手術をおこないます。目を動かす筋肉(外眼筋)の付いている位置を手術 で調整することで、眼の位置を改善します。外斜視の場合「外直筋を弱める」、 もしくは「内直筋を強める」ことで、斜視を改善できます。筋肉の作用を弱める場合には 「筋肉のついている部分を一度切り離して眼球の後ろの方に縫い付け」なおします。 筋肉の作用を強める場合は「筋肉を短く切除して元の位置に縫い付け」なおします。

術は片眼のみで1つ又は2つの筋肉を手術することが多いですが、 斜視のタイプや角度の大きさにより、両眼の手術をする場合もあります。 大部分の患者様で良好な結果が得られますが、中には過矯正となり物が 2重に見えることがあります。時間とともに徐々に改善しますが、 長引く場合はプリズム眼鏡を処方したり、再手術を行なう場合があります。 また、手術後時間の経過とともに、手術前のように斜視になる場合があります(戻り)。 この場合は、しばらく経過を見たのちに再手術を行なうことがあります。

手術前 手術後

手術は片眼のみで1つ又は2つの筋肉を手術することが多いですが、 斜視のタイプや角度の大きさにより、両眼の手術をする場合もあります。 大部分の患者様で良好な結果が得られますが、中には過矯正となり物が 2重に見えることがあります。時間とともに徐々に改善しますが、 長引く場合はプリズム眼鏡を処方したり、再手術を行なう場合があります。 また、手術後時間の経過とともに、手術前のように斜視になる場合があります(戻り)。 この場合は、しばらく経過を見たのちに再手術を行なうことがあります。


 

 

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